コラム

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緊張型頭痛の原因と対処法。精神的なストレスで発症することも

日本人の3人に1人は、慢性的な頭痛に悩まされる「頭痛もち」だといわれています。緊張型頭痛は、
いわゆる「頭痛もちの頭痛」である一次性頭痛の中で、最も多いタイプの頭痛です。
1年の間で緊張型頭痛を経験する人は約21.7%とされており、男性より女性に多い傾向があります。
緊張型頭痛は、日常の何気ない習慣や行動が原因となって発症する場合があります。
そこで今回は、緊張型頭痛の症状や原因、そして予防や対処法についてご紹介しましょう。

緊張型頭痛とは?主な症状について


緊張型頭痛の症状には、次のような特徴があります。

・後頭部を中心に頭の両側が痛む
・後頭部から首すじにかけて重苦しい感じがする
・頭をベルトで締めつけられているような圧迫感がする

ほかにも、体がフワフワするようなめまい感をともなうこともあります。

反復性緊張型頭痛と慢性緊張型頭痛

緊張型頭痛には「反復性緊張型頭痛」と「慢性緊張型頭痛」があります。

反復性緊張型頭痛はときどき起こるタイプで痛みが軽く、短時間で症状が治まるのが特徴です。
一方の慢性緊張型頭痛は、ほぼ毎日症状があらわれ、痛みが持続します。

緊張型頭痛と片頭痛の違いは?

緊張型頭痛は、片頭痛のようなズキンズキンとした拍動するような痛みがなく、動いても症状が悪化しない傾向があります。
また、片頭痛のように光や音に敏感になったり、吐き気をもよおしたりすることも少ないです。

しかし、慢性緊張型頭痛でも症状の重さによっては、片頭痛に似たズキンズキンとした痛みがあらわれたり、
光や音に敏感になったりすることがあります。

自分がどちらの頭痛なのか分からない場合は、医師に診てもらいましょう。

緊張型頭痛の主な原因3つ

原因【1】首や肩の筋肉の酷使・コリ

緊張型頭痛は、首や肩の筋肉が酷使によって硬くなることが原因で引き起こされることがあります。
同様に、首に強い圧力がかかることも原因になります。

首や肩の筋肉が硬くなると血流が悪くなり、疲労物質が筋肉にたまって、これが神経を刺激して痛みを引き起こします。
また、首こりによって後頭部の知覚を支配する大後頭神経が締め付けられると、緊張型頭痛が起こるとも考えられています。
日常生活では次の点に注意しましょう。

・無理な姿勢や同じ姿勢を長時間続けない
・長時間のデスクワークでかがみ姿勢を続けない
・スマホやパソコンの見過ぎないようにする

近年では、スマホの見過ぎによる子どもの緊張型頭痛も増えています。
長時間スマホを使用しないように注意するほか、スマホを見ているときの姿勢にも注意が必要です。

原因【2】目の疲れやドライアイ

目の疲れ(眼精疲労)による筋肉の収縮やドライアイが、緊張型頭痛の原因になることがあります。

スマホやパソコンの使い過ぎは、目の疲れも引き起こすので気をつけましょう。
また、度が合わないメガネを使うことが、目の疲れの原因になっている場合もあります。

原因【3】精神的なストレス

肩や首の筋肉の酷使といった身体的なストレスがなくても、精神的なストレスが原因となって、
緊張型頭痛を引き起こすことがあります。

精神的ストレスで緊張状態が長く続くと、痛みを調整する脳の部位が正常に働かなくなり、
脳そのものが痛くなるとされています。精神的ストレスが原因の緊張型頭痛は、次の人に起こりやすいです。

・心配事や不安がある
・働き盛りである
・生真面目な性格である
・几帳面さをもっている
・環境の変化に対応しなければいけない

また、慢性緊張型頭痛は精神的ストレスが原因であることが多いとされています。

緊張型頭痛の予防と対処法4つ

緊張型頭痛の予防や、痛みが生じたときに役立つ対処法について解説します。

【1】こまめにストレッチや体操をする

デスクワーク中など、気づいたときにはこまめにストレッチや体操をして、
首や肩の筋肉をほぐしましょう。たとえば、次の方法があります。

・両肩を上げて、ストンとおろす
・肩を回す(上着を脱ぐイメージで)
・脚を伸ばした状態で椅子に座り、前屈をする

ストレッチや体操は、頭の重さや肩こりを感じてからの対処法としても活用できます。

予防【2】体を動かす習慣をつける

緊張型頭痛は、じっとしていると痛みが出やすくなるため、日常的な運動で予防しましょう。
特におすすめなのが水泳です。水泳は、水の中で頭や体重の負荷を減らした状態で肩周りの筋肉をほぐすことができます。

運動は、無理のない範囲で毎日続けることが理想的です。プールに通うのが難しい場合は、ウォーキングも良いでしょう。

ウォーキングのような有酸素運動を適度に行うことは、ストレス解消にも役立つとされています。
ウォーキングでは、猫背にならないよう、胸を張って歩くことを意識しましょう。

対処法【1】温めて血行をうながす

デスクワーク中に首や肩の筋肉が凝や痛みを感じたら、蒸しタオルをあてて血行を改善しましょう。

蒸しタオルは水で濡らしたタオルをしぼり、ラップで包んで電子レンジ(500~600W)で30~60秒ほど加熱すると作ることができます。

また予防策として、入浴時にはシャワーだけで済まさず、半身浴で身体を温めて血行を促すことも大切です。

対処法【2】気分転換でリフレッシュする

精神的ストレスが原因で緊張型頭痛を起こす人は、気分転換をして精神的な負担を減らすように心がけましょう。

デスクワーク中に頭が痛くなるのであれば、1時間に1回、5分ほど休憩をとるようにしましょう。
休憩中にストレッチや体操をすると、リフレッシュと同時に硬くなった首や肩の筋肉をほぐすこともできます。
ストレスを感じる場所から離れて、少し歩くのもいいでしょう。

緊張型頭痛にお悩みの方はいしざき脳神経内科へ

「頭痛もち」という言葉をたびたび耳にすることからも分かるとおり、頭痛に悩まされている人は少なくありません。

しかし「頭痛くらいたいしたことじゃない」と軽く考えていると、ひどい場合は、
いつ頭痛が起こるかと不安を抱え、生活に支障をきたすことがあります。
また、緊張型頭痛だと思っていたものが、実は大きな病気が隠れているサインだったという場合もあります。

たびたび頭痛に悩まされている方は、いしざき脳神経内科へご相談ください。
当院は院長が神経内科専門医であり、CT検査も可能ですので、専門的な診療やアドバイスが行えます。

頭が痛いときは無理をせず、ぜひ一度、当院へお越しください。

当院は予約制で診療をしております。
受診される際はまずはお電話にてご連絡ください。