コラム

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冷たい風に当たると頭痛が!寒冷刺激による頭痛(アイスクリーム頭痛)について

「寒い日に冷たい風に当たると頭痛がする」「冷たい食べ物や飲み物を摂ると頭が痛くなる」こんな経験をしたことはありませんか?その原因は、寒冷刺激による頭痛かもしれません。

そこで今回は、寒冷刺激による頭痛の特徴や、寒冷刺激による頭痛と思われる目安について解説します。

寒冷刺激による頭痛とは?

「寒冷刺激による頭痛」とは、外部から頭部に当てられた寒冷や、冷たいものの摂取や吸入により起こる頭痛のことです。脳のCTやMRI検査をしても異常が見つからない「一次性頭痛」のひとつであり、『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』にも記載されています。

寒冷刺激による頭痛を一度でも経験したことがあり、思い当たる寒冷刺激を取り除いて10分以内に痛みが治まった場合は、この頭痛の疑いがあるとされています。

寒冷刺激による頭痛の原因【1】外的寒冷刺激

寒冷刺激による頭痛は、原因によって大きく2タイプに分けることができます。そのうちのひとつが「外的寒冷刺激による頭痛」です。

外的寒冷刺激による頭痛は、極寒の環境温度に無防備に頭部がさらされたことが原因で起こる頭痛のことです。

具体的には、非常に寒い天候の日や、冷水へ飛び込んだとき、スポーツ外傷などで寒冷療法を受けたときに起こりやすいとされています。冷たい風に当たると頭痛がする場合は、外的寒冷刺激による頭痛の疑いがあるでしょう。

外的寒冷刺激による頭痛の症状
外的寒冷刺激による頭痛の症状には個人差がありますが、刺されるような強い痛みが短時間、前頭部中央にあらわれる例が報告されています。痛みが起こる場所は、片側の側頭部(こめかみ付近)や目の周りや目の奥(眼窩後部)の場合もあります。

外的寒冷刺激による頭痛の診断基準
『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』が定める、外的寒冷刺激による頭痛の診断基準は、次の通りです。

A)BとCを満たす急な頭痛を2回以上経験している。
B)頭部への外因性の寒冷刺激が加わっている間だけにともなって頭痛が誘発される。
C)寒冷刺激除去後、30分以内に頭痛がおさまる。
D)ほかに最適なICHD-3の診断がない。

上記の診断基準は外的寒冷刺激による頭痛を知る目安になりますが、自己判断をせず、ほかの頭痛疾患にかかっている可能性も含めて、必ず医療機関で診てもらいましょう。

寒冷刺激による頭痛の原因【2】冷たいものの摂取・冷気吸息

寒冷刺激による頭痛のもうひとつのタイプが、「冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛」です。以前は「アイスクリーム頭痛」や、「冷たいものの摂取にともなう頭痛」という名前で呼ばれていました。そのため、アイスクリーム頭痛という名前なら聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛は、冷たいものが口蓋(口と鼻の境界にあるふたのこと)や、咽頭後壁(のどの奥)を通過することで起こります。ふたつのうち、どちらか一方を通過するだけでも頭痛が起こる場合もあります。また、冷たいものは固形、液体、気体を問いません。

たとえば、かき氷やアイスクリームを急いで食べたときに頭が痛くなることもあれば、つめたく冷やしたジュースなどをゆっくり飲んだときに痛くなることもあります。

冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛の症状
冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛は、一般に片頭痛もちの方によくみられるとされています。片頭痛もちの方の場合、いつもの片頭痛が起こる側に症状があらわれる可能性があります。

冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛は、片頭痛もちでない方にも起こることがあります。その場合は前頭部や側頭部に起こりやすく、側頭部が痛む場合は両側に症状があらわれることが多いとされています。

冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛の診断基準
『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』が定める、冷たいものの摂取・冷気吸息による頭痛の診断基準は、次の通りです。

A)BとCを満たす急な頭痛(前頭部・側頭部)を2回以上経験している。
B)冷たい食べ物や飲み物の摂取、あるいは冷たい空気を吸い込むことによる刺激の直後に頭痛が起こる。
C)上記の寒冷刺激を除去した後、10分以内に頭痛がおさまる。
D)ほかに最適なICHD-3の診断がない。

外的寒冷刺激による頭痛と同じく、ほかの頭痛疾患の可能性を取り除く必要があるので、目安として参考にしていただき、医療機関で正しい診断を受けましょう。

寒い時期の頭痛は医師へご相談ください

「寒冷刺激による頭痛」に限らず、寒い時期は頭痛が起こりやすいとされています。かぜが原因の場合もあるので、頭痛以外にも症状が出ていないかに気をつけましょう。

また、寒い時期の頭痛は、命に関わるおそれがある脳卒中の場合もあるので注意が必要です。脳卒中のひとつであり、脳の血管が破れる「脳出血」は、冬に起こりやすいとされています。

同じく脳卒中のひとつである「脳梗塞」は、75歳以上の方や中等症~重症の方、心原性脳塞栓症患者の場合、やや冬に起こりやすい傾向があるとされています。

頭痛のほかに、次のような症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

・吐き気、嘔吐、めまいがある
・意識が遠くなる
・片方の手や足がしびれる、力が入らない
・呂律が回らない、ものが二重に見える
・体がふらつく、まっすぐ歩けない

いしざき脳神経内科は、地域のかかりつけ医として、かぜや様々な頭痛など幅広く診療いたします。院内にCT機器があり、診療放射線技師も常駐しているため、頭部など各部位のCT検査も可能です。

寒い時期の頭痛にお悩みの方は、まずは当院までお気軽にご相談ください。

当院は予約制で診療をしております。
受診される際はまずはお電話にてご連絡ください。