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めまいの種類と対処方法とは?神経内科医が詳しく解説

みなさんは普段の生活の中で、突然のめまいに襲われた経験はありませんか?

めまいで病院受診する人は病院受診全体の約5〜6%を占め、年齢が上がるにつれてその割合は増加します。40歳以上の約40%の人が、一度はめまいで悩んだ経験があるほどです。

めまいが起こった時は「何かの病気かもしれない」と不安になり、辛いめまいをどうにかしたいと悩む人も多いでしょう。

今回は、めまいの種類と、めまいが起きた時の対処法についてご紹介します。

めまいの症状はさまざまタイプがある

「めまい」と一言で言っても症状はさまざまで、いつどんな行動をしたときに発症するかは人によって異なります。また、症状によって考えられる原因は異なり、耳・脳・循環器など、場合によっては命に関わる可能性も考えられます。

めまいのタイプは、大きく分けて3種類です。
• 回転性めまい
• 浮動性めまい
• 失神型のめまい

めまいの症状によって考えられる原因や病気が異なるので、自身がどのめまいタイプに当てはまるのか確認し、適切な対処を行いましょう。

回転性めまい
「自分自身が回っている気がする」「天井や景色がグルグル回っている」といった表現をされるのが回転性めまいです。

良性発作性頭位めまいやメニエール病など、身体のバランスを保つ機能が異常になると、耳の病気が原因で回転性めまいが起こります。

回転性めまいの大半が耳に異常がありますが、小脳や脳幹の出血や脳梗塞などの命に関わる病気が潜んでいる可能性も否定できません。

浮動性めまい
浮動性めまいは「地面に足がついていない気がする」や「船に乗っている感じ」といった、車酔いのような表現をします。

また、めまいだけでなく、原因によっては次の症状を伴うことがあります。
• 手先や顔の脱力感
• 手足のしびれ
• 呂律が回らない
• 感じたことのない激しい頭痛

これらの症状がみられる場合、脳梗塞や脳腫瘍、脳血栓などの脳の病気を疑われるため、早めの病院受診が必要です。

失神型のめまい
失神型のめまいでは「目の前が真っ暗になる」「立ち上がった時に血の気が引く」といった、めまいというよりは気を失うような感覚を訴える人が多いです。

立ち上がった瞬間に起きる立ちくらみの状態を指し、急激な血圧の変動に体が慣れず、症状がでる状態をいいます。

失神型めまいを起こす原因は以下の通りです。
• 起立性調節障害貧血
• 疲れやストレス
• 不整脈や狭心症などの心臓病

めまいだけでなく全身の体調不良を伴うことが多いため、症状が落ち着かない場合は医療機関を受診しましょう。

めまいが起きた時の対処法とは?

めまいが起きた時の対処法について解説します。

安静にする
めまいが出た時に最初にやって欲しいことは、横になって安静にすることです。

めまいがある時には原因に限らず、転倒の危険性が伴います。また、安静にすること自体で症状が改善することもあります。頭の位置をなるべく低くして、安静にします。めまいと同時に気持ち悪い場合には、吐物が気道に入らないように、首を横に向けるのがポイントです。

めまいが落ち着いた後も急に立ち上がったり、頭を動かしたりせず、ゆっくりと姿勢を整えましょう。

水分補給をする
体内の水分不足はめまいの原因となることがあります。水分が不足すると血圧が低下し、脳への血流量が減り、めまいを引き起こす可能性があります。

身体の約60%は水分でできているため、体内の水分が少ないと、めまいを引き起こしてしまいます。

水分補給する時は少量ずつ摂取し、水に少量の塩を溶かして塩分補給することも心がけましょう。

ただし、吐き気が激しい時や意識がはっきりしない時には誤嚥の危険もあります。水分を取れない状況の場合は、無理せずに医療機関の受診をしましょう。

目や耳から入る刺激を控える
目や耳から入る強い刺激を避ける環境を整えることで、体への刺激が少なくなり、めまいが軽減することがあります。

聴覚や視覚を刺激することで、めまい症状が悪化する可能性があります。部屋を暗くしたり、音楽やテレビを消したりして、刺激が少ない環境で休みましょう。

過度なストレスを避け、リラックスする
過度なストレスによる自律神経の乱れは、脳の血流を悪化させ、めまいを引き起こす原因となります。

そのため、温泉に出かけたりマッサージを受けたりと、自分がリラックスできる方法を見つけることが重要です。リラックスすることで自律神経が整い、めまい症状が軽減されることがあります。

また、病院で検査した結果、脳や耳に異常がなく自律神経の乱れによるめまいであると説明され「治りますよ」と医師から言われることで、安心することにより症状が改善するケースもあります。

「小脳トレーニング」でめまい改善が期待できる

小脳は平衡感覚や運動調整の機能をつかさどっており、小脳をトレーニングすることで、めまい改善や予防ができます。

「小脳トレーニング」のやり方〜その1〜
1. 両手の親指を立てた状態で、腕を肩幅程度に離して前に出す。
2. 顔を動かさずに目だけの動きで、左右の親指を交互に見つめる。

「小脳トレーニング」のやり方〜その2〜
1. 片手を身体の前に出し、反対の手であごが動かないように固定する。
2. 前に出した親指を立て、左右にゆっくり動かし、目で追いかける。

トレーニングは1回10往復程度を3セット行うと効果的です。

トレーニングでめまいのような症状がでる場合は、すでにめまいで悩んでいるか、めまい予備軍の可能性があります。毎日トレーニングを繰り返すことによって、めまいの改善が期待できます。

めまいで悩んでいる人は、ぜひ当院をご受診ください

めまいの症状がある場合、特に他の症状も重なって出現している場合には、医療機関を受診することをおすすめします。めまいは脳の異常によって引き起こされている症状の可能性もあり、早急に適切な治療を受けることが非常に重要です。

めまいに悩んでいる方は、健康な生活を取り戻すためにも、ぜひ一度いしざき脳神経内科をご受診ください。

神経内科の専門医が、めまいの原因を特定するためのていねいな問診と必要に応じて脳のCT検査を実施し、適切な治療を進めていきます。

当院は予約制で診療をしております。
受診される際はまずはお電話にてご連絡ください。