コラム

COLUMN

夏に頭痛が多くなるのはなぜ?夏に起きる頭痛の原因と予防法について

「夏になると頭痛に悩まされることが増え、体調がすぐれない日はつらい…」

近年では9月になっても暑い日が続き、体調を崩す人も増え、頭痛に悩む人も多いでしょう。実は、夏の暑さは夏バテや熱中症だけでなく、頭痛の原因となるのをご存知でしょうか。

今回は、夏頭痛が引き起こる原因と予防法について詳しく解説します。

夏に頭痛が多くなるのはなぜ?

夏の頭痛に悩まされる人は、夏の暑さや環境によって引き起こされている可能性があります。

ここでは、夏に頭痛が多くなる原因について、詳しく見ていきます。

夏の頭痛の原因①強い日差しと高い湿度
暑さが続く日本の夏は、強い日差しと高い湿度が頭痛を引き起こす大きな原因となります。

夏の強い日差しによる紫外線は、自律神経や脳神経に刺激を与え、乱れてしまうことで頭痛を引き起こします。また、高い湿度は体の熱をうまく放散できず体温が上がることも、頭痛の原因となるのです。

夏の頭痛の原因②冷房の室内と暑い屋外との温度変化
暑い屋外から急に冷房の効いた室内に入り、体が急激な温度変化にさらされることが原因で、頭痛を引き起こすことがあります。

自律神経は血管の収縮と拡張を調整する役割がありますが、自律神経が乱れることで血管の働きが低下し、これが頭痛の原因となるのです。

また、冷房で冷え切た体で暑い屋外に出ると体温調節が追いつかず、頭痛が生じることがあります。

夏の頭痛の原因③冷房による体の冷え
冷房で体を冷やしすぎると肩や首の筋肉が緊張し、血流が悪くなることも頭痛の原因です。

冷房の使用頻度が高くなり上手に使いこなせないと、体温が低下し過ぎてしまい、自律神経が乱れてしまいます。特に、長時間冷房の効いた部屋で過ごすと、体全体が冷えすぎて頭痛が悪化することがあります。

夏の頭痛の原因④発汗による脱水と熱中症
発汗により体内の水分や塩分が不足し、脱水症状で血圧が低下することが、夏の頭痛の原因です。

また、熱中症は軽症・中等症・重症に分類され、中等症以上で吐き気や嘔吐に加えて頭痛が起こると言われています。

さらに、新型コロナ対策のマスク着用は喉の渇きを感じにくくさせたり、頭に熱がこもりやすくなることで、頭痛を引き起こす原因にもなります。

夏の頭痛のタイプ は2つ

夏に起こる頭痛には、主に片頭痛タイプと緊張型頭痛タイプの2種類があります。

どちらも夏の環境要因が体に大きな影響を与えますが、それぞれの特徴が異なります。

ここでは、2つのタイプについて詳しく見ていきましょう。

こめかみがズキズキ痛む片頭痛タイプ
片頭痛は、強い光や暑さによって引き起こされやすい頭痛です。

片頭痛は、こめかみから目の周りにかけて、脈を打つようにズキズキと痛む頭痛と言われています。片側だけの場合や両側が痛むこともあり、体や頭の位置を変えることで痛みが強くなったり、ひどいと嘔吐したりすることが特徴的です。

片頭痛は日常生活の色々な要因がきっかけとなりますが、夏の強い日差しや急激な温度変化も自律神経を刺激し、片頭痛を引き起こしています。

首から頭が締め付けられる緊張型頭痛タイプ
緊張型頭痛は、身体的・精神的ストレスが原因となることが多く、肩や首の筋肉の緊張が頭痛を引き起こすことが特徴的です。

緊張型頭痛は、頭の両側が締め付けられるような鈍い痛みが特徴的で、通常は吐き気や体の動きによる痛みの悪化は見られません。

夏に頭痛が起きる前にできる予防法

夏に起きる頭痛を予防するためには、日常生活での工夫が必要です。

●水分補給はこまめに行う
●室内では適切な温度で過ごす
●外出する時に熱中症対策をする
●規則正しい生活をする

夏に頭痛が起きる前にできる予防法について、詳しく説明しましょう。

水分補給はこまめに行う
夏の暑さは汗をかきやすく体内の水分が不足しがちなので、脱水による頭痛を予防するためには、こまめな水分補給が重要です。

日常生活では約1.2Lの水分摂取を目安に、水分補給のポイントはこまめに飲み物を飲むことです。食事中だけでなく起床時・入浴前後など、喉が乾いたと思う前に水分摂取を心がけましょう。

特に、外出時や運動時には意識的に水分を摂取するのが大切です。

水分補給をするときには、スポーツドリンクや塩分を含む飲料を選ぶと、体内の電解質バランスも保つことができます。ただし、経口補水液による電解質の補給は、適量を守って飲んでください。

室内では適切な温度・湿度で過ごす
暑い夏に頭痛を予防するには、温度設定を外気温との差に気をつけて、適切な温度で過ごすことが重要です。

室温や湿度が高いと、血管が拡張して脳神経が刺激され、頭痛を引き起こすことがあります。たとえ室内にいても、脱水状態になりやすい暑い環境では、頭痛が発生する可能性があります。

一方で冷房によって体が冷えすぎると筋肉が緊張し、血行不良による肩こりが起こるので、緊張性頭痛を招くことも。

冷房の風が直接体に当たらないようにし、靴下を履いたり羽織物を1枚かけたりして、体を冷やしすぎないようにしましょう。

さらに、日差しが入る窓にはカーテンやブラインドを活用して、直射日光を遮ることで室内温度の上昇を防ぐことも大切です。

外出する時に熱中症対策をする
外出時は、直射日光を避けつつ水分補給を心がけることで、夏の頭痛予防につながります。

熱中症対策として効果的な方法には、次のようなものがあります。
●帽子を被る
●日傘をさす
●黒色の洋服を避ける

また、最近はハンディ扇風機やネッククーラーなどの冷感グッズも豊富なので、活用するのも一つでしょう。

さらに、外出は午前中や夕方の涼しい時間帯を選び、長時間の外出を避け、こまめに休憩を取ることで、体への負担を減らし熱中症を予防できます。

加えて、外出時には光に対する過敏性を軽減するため、サングラスを活用することも効果的です。

規則正しい生活をする
夏の頭痛で悩んでいる人は、規則正しい生活を心がけ、自律神経を整えることが頭痛予防に役立ちます。

●十分な睡眠
●バランスの取れた食事
●適度な運動

規則正しい生活リズムを意識し、疲れやストレスを感じる時には早めに休息をとることが大切です。

適度な運動は体力を維持することやストレス解消にもなり、自律神経を安定させることで、頭痛の予防になります。

体力を維持しながらストレス解消することで、自律神経を安定させることが頭痛の予防になります。

「ややきつい」と感じる程度の運動を毎日30分ほど続けると、暑さへの順応が進み、熱中症や生活習慣病の予防にも役立ちます。ただし、基礎疾患によって、運動量は変えましょう。

夏に頭痛でお悩みの方は当院へご相談ください

夏の暑い時期の頭痛は、さまざまな影響を引き起こし、生活に支障をきたすおそれのある症状のひとつです。

頭痛の予防は大切ですが、発症時に誤った対処をしたり、繰り返す頭痛に1人で悩んだりせず、専門医に相談することをおすすめします。

いしざき脳神経内科では、神経内科・内科の専門医が診察を行っており、患者さん一人ひとりの症状やお悩みを丁寧にお伺いいたします。

必要に応じてCT撮影も可能ですので、夏の頭痛やそれに伴う症状などでお悩みの方は、まずは気軽に当院までご相談ください。

当院は予約制で診療をしております。
受診される際はまずはお電話にてご連絡ください。